火打山
(ひうちやま)2462m

杉本敏宏、杉本定子、杉本美穂(小4)、杉本深雪(小1)、他四名

8/24 8/25
高田 8:15 高谷池ヒュッテ 6:50
関山 8:45 雷鳥平 7:35- 7:45
笹ヶ峰 9:20- 9:40 火打山 8:15- 8:45
黒沢川 10:40-11:05 雷鳥平 9:15- 9:20
十二曲上 11:35-12:00 高谷池ヒュッテ 10:15-11:35
富士見 12:50-13:20 富士見 12:25-12:35
高谷池ヒュッテ 14:10 十二曲 13:27-13:35
黒沢川 14:15-14:30
笹ヶ峰 15:10-15:30
高田 17:00

 「夏休みには、子供をつれて火打山に登ろう」ということにしている。昨年は、天山に行っていたために実行できなかったので、二年ぶりである。今回は、小生の家族四名と山田光夫氏の家族四名の計八名で登った。

【八/二四】

 高田から新しく開通した国道十八号バイパスを通り、妙高村の山田氏宅で合流して、妙高高原町の杉野沢から笹ヶ峰キャンプ場の駐車場に入る。

 準備をして、九時四〇分に駐車場を出発。すぐに車道から登山道に入る。しばらくこない間に、登山道には、木道が敷かれていた。ぬかるみを歩かなくて良くなったのは良いことか。しばらくして林道を横切り、遊歩道がわかれて小沢を三つほど渡る。ぶなの原生林を徐々に登り、左手から激しい水音が聞こえてくると、もう黒沢川である。

 黒沢川の橋もかけかえられていた。ここの水は、いつも冷たくてうまい。しばし憩いの時間をとる。

 橋を渡ると十二曲の登りがはじまる。ぶな林の中を大きくうねっていた道が、小刻みに曲がるようになり、ダケカンバが目だちはじめ、ちょうど十二回目を曲がると「十二曲」と書いた台地にでる。約三十分の登りだが、少々きつい登りだ。右手の黒沢川から吹き上げてくる風が心地よい。少し早いが昼食にする。

 十二時ちょうどに歩き出す。しばらく難所が続く。大きな岩の間を登るのは、子供達には、おもしろいようだ。樹林がオオシラビソに変わると傾斜は少し緩くなる。朝から雲が厚く、樹林の中では、薄暗い。小学一年の深雪と二年の山田知美が意気投合し、先頭にたって進んでいく。この先危険なところはないし、目のとどかなくなるほど先行しないように注意しながら行かせる。旧道が深くえぐれたために、新しく道がつけられ、木道が敷かれている。登山の安全性と自然破壊の接点である。急に周囲の様相が変わり、明るくなる。樹木が低くなって富士見平である。

 ここは、高谷池ヒュッテへいく道と黒沢ヒュッテへの道の分岐点になっている。低くなったオオシラビソの頂点に、青紫の実が、小鳥がとまっているような形でいくつもついている。黒沢ヒュッテの方の道を少し入ると、黒沢岳の稜線が黒沢湿原に連なり、それが妙高外輪山の三田原山に連なっているのが雲の合間に見えかくれしている。クロウスゴの実が熟れている。子供達は、舌を青黒く染めて食べていた。三十分ほど休憩して十三時二十分発。

 乾いた登山道を二人の子供を先頭にして行く。曇ってはいるが、気持ちのいいところだ。黒沢岳の西側にまわりトラバースにかかる。以前、水がたまり湿地になっていていやなところだったが、ここも、木道が敷かれ、今は、快適な登山道になった。ダケカンバの大木の根などで結構起伏がある。木々の間からヒュッテが見えるようになる。道の脇には、ベニバナイチゴの赤い実がおいしそうに熟れ、シロバナヘビイチゴの小さな実がある。これらのいちご摘みを楽しみながら、歩く。十四時十分、高谷池ヒュッテに到着する。

 ヒュッテの管理人の築田氏に再会。この時期になると登山者はめっきり減るという。おかげで一人畳一枚ほどのスペースを得ることができた。お茶がでてくるのがいい。

 外で、夕食の用意をはじめる。自炊用の道具は、プロパンガスをはじめ、なべ、かま、包丁にまな板など何でも揃っている。宿泊客は、これらを自由にかりることができる。こういうところがこのヒュッテの魅力か。

 夕食後、噴煙をあげる焼山を真っ赤に染めて、夕陽が沈んでいった。

【八/二五】

 もうみんな出ていってしまったヒュッテの中は、ガランとしている。子供達をせかせて、ようやく六時五十分に火打山頂上をめざして出発。昨日の夕焼けに反し、今日も雲が厚い。天狗の庭は、もう、秋のたたずまいを見せている。ワタスゲの白い穂が風に揺れている。池塘が終わるとダケカンバがトンネルのようになった林にはいる。これを抜けると右手が大きく崩壊したところに出る。遅くまで残っている残雪が、今年はもう消えて、ない。チシマザクラがダケカンバに混じって小さな黒い実をつけている。林が切れ、階段状に整備された道を登ると、雷鳥平である。

 小休止の後、七時四十五分発。雷鳥が出てきそうな天候なので、期待する。ハイマツ帯の平坦な尾根が続く。トリカブトが濃紺の花をいっぱいつけている。そして、最後の階段の急登。八時十五分、火打山頂上に着く。

 頂上は、厚い雲の中で、何も見えない。そんな頂上に一組の家族が大きな無線アンテナを設置して交信していた。霧が髪を濡らす。少し寒くなってきたので、八時四十五分、降りることにする。

 雷鳥平までもどってきたが、期待の雷鳥は、ついに出てこなかった。子供達は、ちょっとがっかりした様子だった。ゆっくりヒュッテまでもどる。十時十五分着。

 早昼飯に大鍋でラーメンをつくる。あっという間にたいらげてしまう。十一時三十五分、管理人に別れを告げて、ヒュッテをあとにする。

 昨日登ってきた道をゆっくりともどる。子供達は、相変わらず元気がいい。先頭と最後を大人が歩き、そこから出ないように注意する。黒沢川でのどをうるおし、笹ヶ峰キャンプ場の駐車場に十五時十分着。

 このコースは、十分日帰できるのであるが、子供とともに登るということで、一泊することにしている。そのため、時間に余裕ができ、まわりの景色を楽しんだり、咲いている花などを観察しながらの楽しい山行になった。

※山田光夫氏は、前に務めていた会社の同僚。その後独立し、電気関係の仕事(主にコード類の加工、アッセンブリ)をしている。(2001.08.24)


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