南葉山

1992年4月26日

自宅 7:00
南葉高原 7:35- 7:45
南葉山頂 9:15- 9:45
南葉高原 10:30-11:00
自宅 11:45

 毎年この時期に登っている南葉山に今年もまた登ってきた。

 昨日の風も止み、青空が一面に広がっている。
 植木酒店で缶ビールを買っていたら、有沢の社長が車で通りかかった。
 南葉高原への林道には、もう、何組もの山菜採りが車を止めていた。新緑が鮮やかだ。後谷の入口までもう雪はない。例年よりも少し早いようだ。
 キャンプ場の駐車場には、車が3台とまっていた。これも山菜採りか。朝食の握り飯を食べながら、身支度を整えて出発する。

 ルートは、いつものとおり、キャンプ場の一番上までいって、そのままその稜線を登って頂上に続く尾根にでる。キャンプ場をはずれるとマンサクの花が盛りだ。木の下には、カタクリが咲き競っている。陽差しが暑いくらいだ。やがて、明神尾根コースとの分岐。ここには、何年も前から「三井農林」の所有地であることを示す立て看板が立っている。
 左手の残雪の上から登ることにする。下に降りていった足跡がある。できるだけ稜線の上を行くようにする。その方がブッシュが少ない。あの看板のあたりが雪線のようだ。木落しの坂に連なる急斜面を30分ほど登ると、少し傾斜が緩くなる。雪の消えたところがあるので小休止する。近くでツツドリが鳴いている。そういえばさっき鳴いていたカラスの声が聞こえなくなった。

 雪の斜面が広くなり、ブナ林の背丈が低くなる。一登りで稜線の上にでる。あとは、頂上までだだっぴろい尾根になる。樹木の高さからするとまだ2m以上の積雪がありそうだ。下から見ていると黒く見えているのだが。木々の間から妙高山、火打山、焼山が望まれる。頂上の手前で数m下る。比較的新しい足跡がある。そして頂上。まったくの雪の世界。妙高山の黒いはね馬もよく見える。火打山は全山真っ白。焼山の煙は見えない。鉾ヶ岳・権現岳は、標高が低いのに相変わらず残雪が多い。そして、その手前に今問題になっている西谷内のゴルフ場開発予定地が広がっている。

 南の斜面を少し下って、妙高方面の写真を撮ってくる。戻って雪の中から缶ビールを取り出し、のどをうるおす。北の明神沢からのルートを少し下って見るが、こちらもまだ雪が多い。のんびりした時間を過ごし、下山にかかろうとする頃登頂者あり。「ここは、何という山か」と聞いてくる。驚くやら、あきれるやら。自分が登って来た山の名前も知らないとは、どういうことか。「どこへ登ったつもりか」と問いただすと、「南葉山に登ろうと思ってきた」という。自分が今登っている山が南葉山かどうかも確かめずに登ってきたのだろうか。

 登ってきた足跡を見失わないようにもどる。尾根が広いのと、暖かいのとで1時間もたたないのに足跡がわからなくなっているところがある。方角を見定めて、進む。
 急斜面にかかるところから、稜線のすぐ右手の沢をグリセードで軽快に下る。あっという間に下に着いてしまう。少し下りすぎたため、薮をこいで左の稜線にでる。所々の残雪を滑りながら、降りる。出たところは、奥のキャンプ場だった。まだかなり右によっていた。キャンプ場の舗装された道を歩くのは、いやだ。ぼろぼろの越冬したキタテハが陽だまりに羽を休めていた。風に誘われてギフチョウが飛び出してきた。ここも春の真っ最中という感じだ。
 車の中で少し休んでから帰る。


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