上越市「心のふるさと道」を歩く


 四月二十日、「心のふるさと道」を歩いた。中高年のハイキングクラブである遊歩会の今年最初の行事で、参加者は五十名を超え、盛況だった。好天に恵まれ、春から初夏への移り変わりの途上にある上越市の西部山麓の自然を満喫することができた。

金谷山から出発
ふるさと道  金谷山のスキー発祥記念館前に集合。準備体操をした後、8時45分に出発する。男山の展望台の先は、「こんな所にこんな自然が」と一同感心するような、雑木林が続く。多少の起伏の中に、タムシバ(コブシ)とムシカリの白い花が盛りで、ヤマザクラはなごりの花をとどめている。クロモジは、うすみどりの新芽の中に同じ色の花が抱かれていて、地味で目立たない。そんな中で松の立ち枯れだけが異様だ。左の谷をへだてた尾根は、赤褐色の地膚が痛々しい。高速道路の工事現場だ。

清楚な水芭蕉と見苦しいゴミ
 オオカミ谷に下りる。満水。田んぼのヘリを歩く。小高い丘を越え、滝寺のミズバショウ群落へと向かう。途中、小さな谷に、紙オムツなどがどっさりと捨ててある。まったく見苦しい。「こんな所に捨てなくたって、ゴミで出せばいいのに」「捨てた人のモラルの問題だ」が、一致した意見だった。

水芭蕉は大丈夫か
 滝寺のミズバショウ自生地で、しばらく休む。細い流れに沿って、数十株が自生している。このすぐ上で高速道路の工事中。水が枯れれば全滅する。対策は大丈夫だろうか。

滝寺不動
 毘沙門堂をお参りしてから、滝寺不動へ行く。お不動さんの滝の水でのどを潤す。お堂はどちらも閉まっていたが、お賽銭を投げ入れて、お参りしている人もいた。

昔の面影うすい愛の風公園
 林道を下って、滝寺部落に出て、それから愛の風に登る。すっかり公園として整備され、昔の面影はうすい。「小学校の遠足できた」などと話がはずむ。しばし休憩し、おやつタイム。

迂回路がほしい
 正善寺への道から岩木を通って春日山荘までの間は、住宅地の中を通らなければならない。舗装道路を歩くのは山道よりもよっぽど疲れる。所々からはげ山にされた裏山遺跡の丘が垣間見られる。ここは、下正善寺から春日山に直接出られるルートを考えた方がいいのではないか。

お昼は春日山
 春日山の車道を登る。車が行き交う道を歩くというのは、気分的にもいやだ。春日山神社に参拝し、その右横から、山頂をめざす。十二時十分着。頂上は明るくなった。松が枯れてしまい、伐採されたためだ。ようやく昼食。缶ビールなどでのどを潤す。十三時二十分発。

またまた住宅地
 春日山神社まで戻り、長い石段を下りて、中門前を通って、林泉寺の入口へ。中へは入らず、そのまま春日神社へ向かう。ここから交通公園までは、加賀街道を通らず、住宅街の中だ。

国産タンポポ
 交通公園は、親子連れでにぎわっていた。五智公園で小休止。バンガローなどの横を通って、居多神社へ。ここのタンポポは、純粋の国産。ほこらしげに咲いている。そういえば、いたるところでヒメオドリコソウが繁殖しているのが見えた。帰化してまだ間もないのに。

海岸へ
 親鸞上人上陸地。今度整備されることになっている。「中部北陸自然歩道」と書かれた真新しい標柱が立っている。

予定通り到着
 五智国分寺が終着。十五時十分着。ほとんど予定通りに着いた。建築中の国分寺は、桧の香りでいっぱいだった。

幸先良いスタート
 歳を超えて、生き生きとした参加者の顔。今年のハイクの幸先の良いスタートが切られた。


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