唐松岳

1998年7月19日


高田 6:15 唐松山荘 13:20〜13:25
細野 8:15 丸山 13:55〜14:00
第一ケルン 9:00 八方池 14:50〜15:10
八方池 9:40〜 9:45 第一ケルン 15:45〜16:00
丸山 10:50〜11:10 細野 16:35〜17:35
唐松山荘 12:05〜12:10 高田 19:30
唐松岳 12:35〜13:00

 参議院選挙が大躍進のうちに終った。一日休暇を取って、唐松岳に行ってきた。

 上越は晴れ上がっていたが、糸魚川から長野県に入ると上空に薄い雲が広がっていた。八方のゴンドラ乗り場に着く時には、山頂近くの雲は濃く厚くなっていた。

 有料駐車場に車を入れ、乗り場に行くと、長い列ができていた。6人乗りのゴンドラにグループ毎に3〜4人しか乗らないので、なかなかはけないのだ。次のリフトでは夫婦と単独の女性と4人で乗った。最後のリフトは、先の単独女性と別の夫婦。第一ケルンの終点にもたくさんのハイカーがいた。

 人ごみを避け、尾根コースを行くことにする。シモツケがいっぱいに花を開いている。所々にニッコウキスゲ。

 八方池。厚い雲がたれ込めている。眺望は望めない。濁った池の周りにたくさんの人。時期がいいのか。タカネマツムシソウがもう咲き出している。秋が忍び寄っている。

 下の樺で、リフトの女性に追いつく。「先ほどはどうも」というと、ニコッと笑いかえした。いよいよ登り。残雪期にシリセードする斜面を登り、樹林帯をトラバースしていく。お花畑には、マルバダケブキの濃い黄色とタテヤマウツボグサの濃紫色のコントラストが見事。小さなイブキジャコウソウ、ヒナコゴメグサなど。その先のいつもは残雪がある沢は枯れ沢。その上の雪田も8月末の状況。「少し休んでいきます」というので先に行く。樹林の下に、ウサギギク、クルマユリなど。上の樺の中で腹ごしらえしていると、彼女に追い越されてしまった。

 丸山手前のガレ場。人だかりしているのは、雷鳥の親子が居たためだ。カメラにも物怖じしない。

 丸山では、余りの睡魔にザックを枕に横になる。吹き抜ける風が心地よい。睡魔が去って、歩き始める。広い尾根が狭まり、左手をトラバースぎみに登っていく。岩場に木道がかけられ、針金や鎖で安全を確保している。左下を見て怖がってしまう人が多い。行き交う人と交互通行。

 唐松山荘の横に出る。立山方面は雲の中。唐松岳が大きく見える。高い缶ビールを買い込んで頂上に向かう。小屋の先のガレ場のコマクサが新鮮な花を咲かせている。雷鳥が砂浴びをしている光景に人だかり。初めてカメラを取り出す。

 久々で大分時間がかかった。頂上で缶ビールを開ける。例の彼女。30分ほど前に着いたという。地元の人で、「今年就職したので休みの日に登った。こんなに人が多いのは初めて。」という。下りるというので、「追いつけないと思うので、気を付けて。」という。入れ替わりに、大集団がやってくる。狭い頂上がいっそう狭く感じられる。しばらくして、「走れ、ゾウ列車」の歌声。女子高生だろう。キチッと二つに分かれ、指揮者もいる。いっしょに口ずさんでいると、傍にいた人が、「どういう歌ですか。」というので、知っていることを少し話す。帰り際に、「この山頂でこの歌が聞けるとは思わなかった。」というと、嬉しそうにはにかんでいた。

 下りは、ひざを痛めないように気を付けながら歩く。それでもいつもの癖で、ついつい早くなるので、セーブする。行く時には気がつかなかったが、ミヤマクワガタの群落が紫に白が混じった固まりになっていた。

 山荘のゴミ燃やし。二人の青年が、「みんないっしょに燃している。糞尿は富山県に、ダイオキシンは長野県か。」と、話していた。西風にあおられた臭い煙には、その危険性がある。

 今ごろ少し酔いがまわってきたようだ。こういう時こそ注意をしないと。登った道をそのまま下る。薄日でも、結構焼けているようだ。まだ、登ってくる人が多い。丸山で一休み。

 いろいろ咲いている花。時々、その名前を聞かれる。知っているものだけ答える。トラバースのお花畑で例の彼女。「追いつけないと思っていたのに。」というと、笑顔が返ってくる。しばらく話をする。写生をしていたようで、邪魔をしてしまった。

 下の樺で空腹感。八方池で休む。右の谷から吹き上げてくる涼風が心地いい。黒い雲をかき分けるように、不帰の峰が顔を出す。まだたくさんの人がいる。「一番高い所にある」という水洗便所を使う。ここからハイキングコースを下るが、下手な階段がかえって歩きづらい。

 第一ケルンのリフト乗り場は、長い列ができていた。空いたところで乗り込む。次のリフトは長蛇の列。その割にゴンドラは空いていた。

 八方で温泉につかり、疲れを癒す。そして、元来た道を高田へと引き返す。


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