南葉山

 7:20 自宅発 11:00 キャンプ場着
 7:45 キャンプ場着 12:00 キャンプ場発
 9:15 南葉山頂着 12:20 自宅着
10:00 南葉山頂発

 いっせい地方選挙が大躍進のうちに終わった。早朝配達の時から、雲一つない快晴。妙高連山がくっきりと浮かび上がっていた。
 身支度を整える。一応、ピッケル持参。

カタクリ
カタクリ
 南葉高原キャンプ場の駐車場には、車が2台。ヘルメットをかぶった山菜取りらしき人が、これから行くのかという様子だったが、戻ってきて、車に乗り、下りていってしまった。何なんだろう。あとは誰もいない。

 キャンプ場はまだ残雪があり、消えたところからカタクリ(片栗)が咲き始めている。そんな花の中から1頭のギフチョウ(岐阜蝶)が飛び出してきた。花にとまるかと見守ったが、風に乗って林の中に消えていってしまった。

 暑いくらいの陽射し。明神沢への分岐。そして三井農林の看板。ここから一気にやぶになる。まだ新しい赤い頭の杭が点々と打たれている。それに沿って登る。このルートが残雪期の最短距離だ。尾根筋は春の芽吹きだが、谷筋にはいっぱいの雪。その雪が登るにしたがって、迫ってきて、やがて、尾根を埋め尽くす。そして、木落としに続く急斜面になる。振り返って東側を見ると、水が張られた田んぼの向こうに米山が居座る。北の日本海は、関川からの水が、防波堤に沿って海の色を変えている。この坂を登りきると、頂上に続く緩斜面になる。この山は、まーるい牛の背をうしろから上がって、頭に向かって背中を登っていくような感じの山だ。一息入れる。
 ブナの回りの雪消えを見ると、まだ1.5〜2mはあるか。それでも少ないようで、いつもならブッシュに見えるブナが、今日は小さな木立くらいに見える。おかげで横に張り出した枝がじゃまだ。左手から、夏の登山道を登ってきたのであろう靴跡があらわれる。昨日のもののようだ。多くても10人程度か。枝の間から、妙高、火打、焼山が広がる。これが見れるのが、この時期の特権だ。わずかに下ってからひと登りで頂上だ。1時間半ほどで着いてしまった。「まだ大丈夫だな」。
 
 雲一つなく、360度の展望。水平線がかすんでいる。持参した缶ビールでのどを潤す。雪庇のあとがまだ残っており、南葉神社のほこらも、案内板も雪の下で影も形も見えない。まだ3mはありそうだ。雪から出ているブナが、3mほどのところで枝が引きずられたようになっている。今冬は、あの上まで雪が積もっていたのだろう。
 展望を満喫して、下り始めると、向こうから男性二人が上ってきた。今日はじめての人である。あいさつを交わす。踏跡についていったら、少し降りすぎてしまった。登ってきた尾根に戻るのもたいへんなので、そのまま、登山道に沿って下ることにする。6合目と5合目の標柱が新しいものに変わっていた。6合目の水場はいっぱいに流れていた。木落としの坂を下りて、緩やかになると、雪の量もぐっと減る。マンサク(万作)は雪の中でも切干大根のような花を開いている。この花がいっぱいに咲く年は、豊年万作だという。だんだん地面のほうが多くなり、カタクリなども咲き出す。タムシバの白い花が大きく開いているその下で、ユキツバキ(雪椿)の赤い花が、緑の葉陰から顔を見せている。
 やがて、旧道との分岐。左に折れる。ここからのトラバースは、10p位までの太さの木まで、雪で押し倒されていて、これをくぐったり、踏み越えたりで忙しい。小沢にかかったスノーブリッジを踏み抜かないように渡れば、もうキャンプ場は目の前。舗装道路はいつも歩きにくい。下りは一時間程度だった。

ブッシュ越しに妙高山を見る
ブナの梢越しの
妙高山
 ロッジが開いていたので、のぞいてみる。お茶をご馳走になる。車のドアを全部開けて、涼しい風の中でしばし睡眠。頂上であった人が降りてきたので、帰宅する。
 天気は上々だったが、そんなに暑くもなく、存分に残雪の山を楽しむことができた。

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