火打山〜妙高山

(遊歩会=30名)

1999年8月1日〜2日

8月1日   8月2日
高田 6:40 高谷池ヒュッテ 6:20
笹ヶ峰 7:55- 8:15 黒沢ヒュッテ 7:20-7:30
黒沢川 9:20- 9:30 大倉乗越 7:55
十二曲 10:10-10:20 長助分岐 8:55-9:10
富士見 11:40 妙高山 10:40-11:35
高谷池ヒュッテ 12:20-13:10 天狗堂 13:15-13:30
雷鳥平 14:20-14:30 燕温泉 15:40-16:50
火打山 15:10-15:25 高田 17:50
雷鳥平 15:55
高谷池ヒュッテ 16:50

 「地元に居ながら登る機会がない」というので今年のメイン登山は企画された。

8/1

 連日の猛暑の中、今朝も雲一つなく晴れ渡っていて、早朝から暑い。バスの中ではぐっすりと眠らせてもらう。笹ヶ峰の登山口にさしかかった頃に目覚める。駐車場はほぼ満員。若干の準備体操をして出発。

 樹林に中に入るとそれでも涼しいが、風がないのがなんとも苦しい。ブナの林の木漏れ日が和ませてくれる。それでもいい調子で黒沢川に着く。倒木を利用した橋を渡ってから、休憩。水を補給する。

 十二曲。少し時期がずれているのか、咲いている花が少ない。途中で「やぁ」と声がかかる。関原忠良前議員。昨日、登ったという。わいわい言いながら、十二曲を登りきる。狭いので、少し上がって小休止。

 若干の急登がある。そこで、「この人、上越市の議員の杉本さんだ」との声。初めて会う人だ。「テレビで見ている」とのこと。オオシラビソの樹林帯に入る。一瞬ひんやりとするが、相変わらず無風状態。「北アルプスが見えた」とか言いながら、足を止めたりする。

 富士見は先客があり、かんかんでりなので先へいくことにする。しかし、適当な場所がないまま、黒沢岳のトラバースに入る。めざす火打山がダケカンバの間から望まれ、その左に焼山も。そして結局、高谷池ヒュッテまで来てしまった。
 ヒュッテですぐに築田氏にあいさつ。腹ごしらえなどして頂上に向かう。

火打山をバックに天狗の庭  奥高谷。ハクサンコザクラが可憐な赤い花をいっせいに開いている。そして、アオノツガザクラの青みがかった黄色い花が彩りを添える。イワイチョウもその存在感をアピールしている。木道が下りにさしかかると、ヨツバシオガマが多くなり、リンドウはまだつぼみを見せ始めただけ。コバイケイは茎だけ。今年は花をつけなかったようだ。
 天狗の庭は、池塘の周りでワタスゲが風に揺れている。木道脇のミヤマハンノキの中には、キヌガサソウが大輪の花を誇らしげにつけている。池塘に移る逆さ火打がいい。

 矢代の源流部は、まだ残雪がある。そして、雷鳥平への登りになる。ヒメシャジンが濃い青紫の花をいっぱいにつけ、マルバダケブキの濃い黄色の花がひときわ高い。土留めの階段は本当に登りにくい。
 雷鳥平のアオノツガザクラはまだ開き始めたばかり。馬の背のようなハイマツ帯をようやく出てきた風に吹かれながらいく。そして、最後の急登。ウサギギクが満開。階段を登りきるとケルン。左の草原は、ハクサンコザクラ。

 気合いを入れてひと登りで、頂上に出る。日本海方面は雲で見えないが、他の三方は大パノラマ。焼山が大きい。その後ろの雨飾が低く見える。「あの山は?」などと眺望を楽しんだ後、全員集合写真を撮って、下りる。雲も広がってくる。

 ヒュッテに着くとすぐに缶ビール。500円なり。夕暮れに染まっていく火打山などを見ながら。山岳写真を撮っている石倉氏があいさつに来る。
 畳2枚に3人だからゆったりしているほうか。寝苦しいほど暑い。夜半の星空はすばらしかった。

8/2

 朝陽が北アルプスを赤く染めていた。白馬、杓子、白馬鑓、唐松、五竜とつづく。遠く槍も見える。今日もまた上天気のようだ。

 黒沢岳の北側を巻いて黒沢ヒュッテに出る。矢代源流を構成する北面は、深く切れ落ちていて、所々、崩壊している。オオシラビソの樹林が開けると黒沢湿原が展望でき、ヒュッテへの下りとなる。

 黒沢ヒュッテから大倉乗越までは、樹林帯の登りで、乗越から振り返ると火打山がでーーんと居座っている。ここからは新道(とはいっても、もう30年以上も前に切り開かれたのだが)を通る。どんどん下り、そして、緩やかな下りのトラバースとなる。大倉乗越から直接長助池に下りなくなったので、遠望するしかない。長達池(大正池)から流れる沢を渡るとすぐに長助池への分岐だ。いつもなら残雪があるところだが今年は何もない。

妙高山頂にて  妙高山頂上への急登が始まる。ミヤマハンノキがダケカンバに変わり、ハクサンシャクナゲが出てきて、チシマザクラの林が混ざってくるともう頂上はすぐそこだ。南峰と北峰の間から南峰に出る。三角点のある広場で昼食休憩。シロウマタンポポは花が終わっていて、ミョウコウトリカブトはまだ蕾だ。コーヒーを煎れる。
 祠がある最高点を通って、下り始める。

 火山岩の間を縫って下りると、じきにクサリ場。右に向かってから、ターンして左にトラバースし、岸壁に刻まれた階段を下りる。

 天狗堂。最近の地図では「天狗平」と書かれているものが多い。天狗堂がある。右に大谷ヒュッテへの道が分岐する。先客は、高校生か。一人が「気持ちが悪い」というので介抱する。暑さに参ったようだ。木陰に入れる。水分を摂っていないようなので、水を飲ませる。しばらくして元気になったようだ。

 胸突八丁をどんどん下る。そして、南地獄谷の川原に出る。血の池コースの分岐を左に見つつ、赤倉温泉の源泉の下まで行って休む。ここには隠れた湧き水がある。みな喜んで飲みに行く。

 称名の滝を見上げ、光明の滝の脇を通って、水が流れる道を下ると、香蘭荘。ここは、温泉の管理小屋。いつでも豊富な水が出ている。

 ここからは、地獄谷からの中腹につけられた水平道だ。この道の下には、赤倉温泉への引湯管が敷設されている。

 スキー場の端に造られた露天風呂。ブナの梢越しに惣滝が見える。花文さんの風呂に入れてもらう。湯上がりの缶ビールのうまいこと。迎えのバスに乗り、帰宅。天候に恵まれた、快適な登山だった。


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