1999年08月14日
小蓮華山
2日目
 
 
蓮華温泉 5:45 白馬大池 12:00
天狗の庭 7:35-7:45 天狗の庭 12:35-12:45
白馬大池 8:40-8:55 蓮華温泉 13:45-14:50
小蓮華山 10:45-10:55 自宅
 
 5時少し前に起床。曇り空だが、東の一角に青味があり、そこが次第に茜色に変わっていった。
 12時までに行きついたところで引き返す予定で、霧雨の中を出発する。
 黄金の湯の脇の川は、様相が一変していた。これも7・11水害の傷跡か。急坂でどんどん高度を稼いでいく。すぐに、薬師の湯と同じ高さになり、追い越す。身体中の水分が吹き出すかという位に汗が出る。おかげですっきりした。雨が本格的になってきたので、雨具を出す。
 天狗の庭の手前でようやく降りてくる人と出会う。天狗の庭は、この雨空にもかかわらず、相変わらずすばらしい。ハイマツがうねっているし、何よりも風雪に耐え抜いたカラマツの容姿がいい。ヒナコゴメグサが群落になっていて、イブキジャコウソウが小さな真紅の花をつけている。ムシトリスミレは花が終わっているが、ミヤマカワラナデシコが最盛期だ。そんな花たちに癒されながら、登っていく。
 樹林帯に入ると、道端にイチヤクソウが可憐な白いスズランのような花をつけている。谷を大きく回り込んで火山岩がごろごろした所に出るともう白馬大池はすぐだ。
> 池の西の斜面の残雪は小さい感じがした。テント場は撤収の真っ最中だった。風が強くなってきた。お花畑のチングルマは花と実が同居しているし、ハクサンコザクラが強風に揺れている。「この風ではどこまで行けるかな」と思いつつ、先を急ぐ。
 池の上の台地には、周りを石で囲われた幾株かのコマクサがある。この雨と風では写真を撮る気にもならない。ハイマツ帯の下に、リンネソウがこれもまた可憐な花を咲かせている。今年は時期がいいのか、見事だ。
 稜線の風は強まるばかりだ。信州側から越中側へ吹き上げてくる。登山道が稜線の影などに入ったところは、風がなくホッとする。何人もの人たちが休んでいる。小蓮華岳で前進するか否か思案する。白馬の頂上までは1時間半くらいだが、雨風が回復する見込みがないので、引き返すことにする。
 引き返しはじめてすぐ、「ハクバまでどれ位ですか。」と聞かれる。「小蓮華岳が目の前で、そこから三国境まで1時間、シロウマダケの頂上まではさらに30分かかりますよ。」というと、「ハクバはその先ですか。」という。「いいえ、ここから1時間半ほどです。」「そうですか。ハクバはまだですね。」なんとも珍妙なやり取りだが、今では「白馬岳」は、「シロウマダケ」ではなく「ハクバ」になってしまったのだろうか。「シロウマダケ」が通じないことに何ともすっきりしないものを感じながら、道を急いだ。
 すっかりテントが撤収された白馬大池は素通りする。この雨風で下山する人が多い。そんなに早いわけではないが、何だか次々に追い越してしまった。天狗の庭で一休みし、腹ごしらえする。蒸し暑いので、雨具を脱ぐ。傘をさしてさらに下る。
 蓮華温泉がもうすぐということで、黄金の湯を見に行く。だれもいない湯船に湯が惜しげもなく注がれている。戻ってくると立て看板を見ていた人が、「蓮華温泉ですか。」という。「蓮華温泉の露天風呂ですよ。」というと、「蓮華温泉とは違うんですか。」返答に困ってしまった。
 車に荷物を置き、ロッジの内湯に入れてもらう。800円なり。高くなったものだ。建て替えて、きれいになっていた。外から直接は入れなくなり、食堂を横切っていく。汗を流しさっぱりする。
 霧がなくなった道を快適に飛ばし、帰路につく。糸魚川からの対抗車線は、海水浴帰りの車で渋滞していた。
> このコースは、これまで何度か日帰りで往復している。今回は、頂上までは行けなかったが、それなりに充実した山行だった。
 白馬岳は、早春の雪消え、その山腹に、馬の形の黒い岩肌が現れ、それが麓から見られると苗代作りが始まることから、代掻き馬の出る山ということで「代馬」=シロウマというのが語源と聞いている。代馬(シロウマ)→白馬(シロウマ)→白馬(ハクバ)は、時代の流れとはいえ、シロウマダケが解からないというのは悲しいことだ。
 白馬岳は、また、大蓮華岳ともいうが、これは、越後側から見たとき、仏教の極楽浄土を意味し、蓮華温泉から小蓮華岳、大蓮華岳へと登り詰めていくことになると聞いたことがある。
 
ページトップへ 08月13日 08月14日 1999年の記録 年代順目次 山域別目次