加賀白山
(2702m)

2000年7月31日〜8月1日
遊歩会(40人)

7月31日    8月1日
高田 6:00 南龍山荘 3:05
別当出合 11:30-12:00 室堂 4:55-5:35
中飯場 12:45-13:05 御前峰 6:20-6:45
別当覗 13:45-13:55 室堂 7:15-7:45
甚之助避難小屋 14:40-15:00 甚之助避難小屋 9:10-9:30
南龍山荘 15:55 別当覗 10:10-10:15
中飯場 10:55-11:05
別当出合 11:55-12:10
白峰町 12:45-14:30
高田 18:00

 遊歩会の年間行事の一つでメインの白山登山に参加した。

 台風6号が、朝鮮半島に沿って北上しているので、フェーン現象の猛暑が日本海側を襲っていた。インターネットの気象状況では、石川県と岐阜県境で雨が降っていた。

7月31日(月)

 貸切バスで一路、北陸道を石川県へ。途中、黒部付近で、剱岳、大日岳。残雪が多い。
 手取川に沿った道路は、バスがやっとの所が残されている。
 別当出合。バスのフロントガラスをたたいていた雨粒が、傘が必要なほどになり、バス停の建物に逃げ込む。腹ごしらえをして出発。下りてくる人達は雨具を着けている。
 別当谷にかけられた吊り橋を渡って、樹林の登りにかかる。オオウバユリがそこここに咲いている。
 中飯場。トイレの小屋に水が出ている。柳谷の崩落を抑えるための堰堤工事がやられている。70年代にこぶし山の会でここに来た時に、すでにこの工事は始まっていた。それから30年近く経っているが、工事の進捗は当時とほとんど変わっていない。だいたい山が崩れるのを止めようということが間違っている。これもムダな公共事業の一つか。
 中飯場を出ると、上の方で轟音がする。工事用の重機が走って行ったのだった。1500mを超える所に、舗装こそしてないが、2車線以上の道路が横切っているのだ。ところでこの登山道、砂防新道とは、よくぞつけたものだ。
 別当覗。別当出合まで、眼下に一望できる。みんな雨具を着ているが、一人傘で過ごす。
 雨はいよいよ止みそうにない。甚之助避難小屋に入る。3間3間の土間に50人を超える人。ギューギュー詰め。
 黒ポコ岩への分岐を過ぎると、道は平坦になり、エコーラインの分岐からは、下り気味になる。そして南龍山荘。今日の泊の小屋だ。
 部屋は蚕棚式。24人の部屋は女性、一段あけた18人の部屋を男性とする。今時の小屋は乾燥室まである。
 一段落して、食堂で缶ビール。350ccが450円、500ccが650円だから、北アなどよりは余程安い。「ビールを飲む陽気じゃないナ」などといいながらも、話が弾み、ビールも進む。
 夕食に飲んだ酒が効いて、そのまま寝こんでしまう。11時頃だろうか、目がさめたが、雨と風はやんでいなかった。

クロユリ
クルマユリ クロユリ
コバイケイソウ キヌガサソウ オオウバユリ
コバイケイソウ キヌガサソウ オオウバユリ

8月1日(火)

 2時半、人の動きに目がさめる。パンなどを食べて、雨ズボンだけ履いて身支度を整える。
 真っ暗闇の雨の中を出発する。コースは予定を変更して、エコーラインを登ることにする。風だけは止んでくれたので助かる。
 空が白み、やがて夜が明ける。深い霧に阻まれ、視界は利かない。
 室堂は、霧の中だった。ビジターセンターを改築中で、プレハブ小屋が立ち並んでいる。その一つ、自炊小屋に雨宿りさせてもらう。みな朝食。その上、ここに荷物を置かせていただいて、御前峰頂上に向かう。社殿のすぐ後ろからクロユリの群落が見事に広がっている。緑の絨毯から突き出ている白い十字のコバイケイソウが霧に対抗している。緩い登りだが、ジグザグに登っている。イワキギョウの紫がひときわ鮮やかだ。またまた風が強くなる。
 白山奥宮は、石の壁に囲まれていて、丁度良い風除けになっている。お参りをする人、おみくじを買う人、人様々。
 それでも、最高点には行きたいという衝動を抑えられず、20mほど先の頂上に群がる。しかし、何も見えない。
 祠前で思い思いの写真を撮り、下山。今度は向かい風だ。
 難なく、室堂に着く。全員集合の写真を撮り、自炊小屋から荷物を取りだし、下り始める。いっこうに雨はやまないが、それでも空が心持ち明るくなった感じがする。観光新道を下る予定だったが、「雨で滑るだろう」ということで、黒ポコ岩から砂防新道を下ることにする。
 笹原にコバイケイソウがすっくと立っているのは壮観だ。イブキトラノオが風に揺れる。テガタチドリが斜面をにぎわせている。メタカラコウが黄色い花をつけ、少し下がるとシナノキンバイの黄色も目立つ。「ハクサン」のつくものの個体数が少ないのが気になった。
 標高が下がってくると、青空が見え隠れするようになる。樹間に、キヌガサソウやサンカヨウが出始め、オオウバユリの群生地になれば、もう、別当出合は近い。吊り橋を渡り、石段を登れば、バス停だ。暑い。金沢は36℃だという。
 早々にバスに乗り込み、風呂と昼食が待っている白峰町のおんせんにへと急ぐ。入浴し、さっぱりした身体になり、ビールで乾杯。「これが最高。やめられないね。」が一致した意見だった。
 暑い暑い高田にもどったのは、夕陽が沈みかけた頃だった。


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