南葉山

2003年4月29日

南葉山での写真

高田  7:10
南葉高原
キャンプ場
 7:35- 7:50
頂上稜線  9:20
南葉山山頂 10:00-10:25
南葉高原
キャンプ場
11:00-12:15
高田 12:45

 今年初めての登山だ。例年(昨年は登れなかったが)、初登山は南葉山へ足慣らしに登ることにしている。

 ずっと晴天が続いていたから、遠くがかすんでしまっている。そんな中、灰塚から南葉高原へと車を走らせる。新緑の木々が清々しい。山菜取りの車が何台か駐車していた。ウワミズザクラの白い塊が、路傍の所々に見られる。

 キャンプ場は、ゲート前に一台車が泊まっているだけで、まだ人の気配がなかった。小さなため池の周りに、ミズバショウやカタクリが彩りを添えている。身支度をして出発する。

 キャンプ場の中は、一面のカタクリ。そして雑木林には、タムシバ、マルバマンサク、ヤマザクラ。ミズナラやコナラの芽吹きもいい。明神沢への道を右に分け、「三井農林」の看板からはやぶの中の残雪を行く。そんな残雪の消え際にキクザキイチゲが色濃く咲いていた。急に一頭のギフチョウが飛び出し、残雪の上を渡っていった。

 木々がなくなり開けたところから急な登りになる。この急坂は左に行くと、「木落とし」の坂に連なる。何人かの足跡がわずかに残っている。ストックの跡だけがくっきりとしていて異様だ。丸い10p位の足跡が左から右に横切っている。下に「熊出没、注意」の看板があったが、熊だろうか。強い陽射しに、あえぎながら登りきると緩傾斜になる。

 振り返ると、ブナの梢に近いところに赤ペンキでマークが付けられていた。背丈の2倍以上の高さのところだ。あのマークを付けた時は、そこが目の高さだったんだろう。今だって2〜3mの残雪がある。
 高田から見ていると南葉山は、初雪の頃は、一瞬真っ白になり、それが消えると再び黒い山に戻る。これを繰り返し、だんだん白が勝っていき、年末頃にはついには真っ白な山となる。春一番が吹く頃に黒い部分が広がり始め、四月の末頃には黒い中に白いものが見える程度にまでなる。六月の上旬でも頂上台地には1mくらいの残雪があるが、これは高田からは見えない。
 ブナが雪に埋まり、春の訪れとともにふたたび頭を出してくるのだ。

 今はブッシュとなったブナ林の梢越しに、妙高山や火打山、焼山などが望まれる。
 誰もいない雪の台地で、マイナスイオンいっぱいの空気を胸いっぱいに吸い込み、行く春を楽しむ。

 頂上。何もない。雪庇の痕がうっすらと南北に見える。その一番高いところに腰をおろす。
 籠町の方に少し行くと、妙高連山の展望が開ける。


 春うらら。心地よい風をうけ、戻ることにする。
 下りはじめてすぐ、今日はじめて人に出会う。

 足跡が明瞭に残っているので、ルンルン気分で台地を駆け下りる。そして、赤ペンキマークから、急な下り。そのためにピッケルを持ってきたのだ。沢を一気にグリセードで下る。1時間もかけて登ったのを数分で降りてしまう。沢にずっと雪がついているので、そのまま下る。
 やはり、下りすぎたようで、左のブッシュをかき分けて隣の残雪に入る。これを下ると夏道に出た。だいぶ右に寄ってしまった。

 この時間になるとさすがにキャンプ場にはひと気がある。
 作業車が忙しげに動いている。管理棟から出てくる見覚えのある顔に声をかける。村田秀夫氏だった。これから明神沢の方から登るという。もう今年10数回の山行とか。
 猟友会の村上勉氏が無線でやり取りしている。歓談。熊の足跡の話をすると、仲間と連絡をとってくれた。最近は、熊だけでなく、カモシカも低いところまで降りてくるし、ハクビシンが雪消えに合わせて上がって来るという。桑取谷にはイノシシまで住みついているという話だ。
 一時間も話し込んで帰宅。

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