2009年03月16日
古道桑取道
夫婦
 
古道桑取道での写真
 
自宅 8:45 花立 13:35
春日山神社下駐車場 9:00-9:05 西戸野入口 13:46
春日山山頂 9:22-9:33 有間川バス停 13:58-14:36
農道 9:57-10:02 イトーヨーカドー 14:55-15:19
牛池分岐 10:15 中門前 15:30
薬師分岐 11:20 春日山神社下駐車場 15:50-15:56
城ヶ峰 11:55-12:50 自宅 16:27
 
20090316 古道桑取道 ルート図
 
 3月15日の「天地人」、御館の乱が勃発しました。兼続父子の活躍で、景勝方が春日山の実城(本丸とその周辺)を確保しました。景虎方が御館に去った後、「兵糧がたりない」ことが分かり、兼続が桑取へ食料調達に行くというところで終わりました。その兼続が桑取へ走ったであろう道、古道桑取道を妻と歩いてきました。
 穏やかな春の陽気、青空が広がっています。平日のためか、春日山は人影もまばらでした。春日山神社下の駐車場に車を停め、長い石段を登って、春日山神社へ。謙信公の銅像下から出発です。
 甘粕屋敷から入ります。すぐ上の台地が三の丸で、ここが「三郎景虎屋敷跡」、米蔵もここにあります。土塁を見ながら縦堀にそってもう一段上がると二の丸。井戸があり水が出ています。左手から本丸に上がりますが、この途中から真っ白な権現岳と鉾ヶ岳の双耳峰が見えます。本丸の陽だまりにヒオドシチョウが2頭、戯れていました。本丸から見ると三の丸はすぐ目の下です。「こことあそこで戦争したんだよ」「開門すると太陽が差し込むシーンがあるけど、あんなふうにならないよね」
 頂上北側の大井戸を通って、景勝屋敷跡へ。今はたくさん木々が生えていますが、広い台地です。この西側の一段低いさらに広い台地が、柿崎屋敷跡です。柿崎が景勝に夜討ちを仕掛けますが、「裏庭の崖を駆け上がった」という感じです。この広場から古道桑取道が始まります。
 数日前の雨のためでしょうか、表面が乾いていても落ち葉の下はヌルヌルです。しばらく下ると、上正善寺から上がってくる農道に出会います。トラクター1台がやっと通れるコンクリート舗装の道です。農作業にトラクターで上がってきた老夫婦がけげんな顔をしていました。
 緩やかな杉林を登っていくと、雑木林に変わり、牛池新田へ降りる分岐になります。一昨年、産業廃棄物処分場用地の調査にきた時は、宮野尾から牛池新田を通ってここに出てきました。その時、宮野尾の河野さんに聞いた話では、「正善寺のしょが、牛池新田を開いた」のだそうです。また、ここから帝国石油のガスパイプラインが始まります。実は、古道桑取道の下には、このガスパイプラインが埋設されているのです。
 雑木林の尾根は、時には広く時には狭くなりながら、岩戸川と正善寺川とを隔てています。南の正善寺側を見下ろすと北陸自動車道を走る車が、轟音を響かせてトンネルに消えていくのが見えます。
 今日の目的地の城ヶ峰までは、「謙信の軍用道路」ですが、あの時代、甲冑をつけて走ったのかと思うと、「すごい体力だな」とつくづく思います。ところで、この古道桑取道、まだ春先のためでしょうか、整備が行き届いていません。今、天地人で売り出そうとしているのですから、雪が消えたらいち早く下草くらい刈り払う、案内板を整備する「おもてなしの心」が必要ではないかと思いました。
 道の両脇は、カタクリの芽でいっぱいです。まだ蕾を出したばかりのものが多く、咲いているのはわずかです。もう一週間もすれば、満開のカタクリを見ることができるかもしれません。そのカタクリと棲み分けしているかのようにキクザキイチゲが、こちらはもう花を開いていました。
 薬師山への分岐。ススキで覆われていますが、車が通れたのでしょう、轍が残っています。ここからしばらくの間、このススキに悩まされました。今は雪で倒されていますが、「これじゃあ、夏や秋は通れないね」という状況です。「兼続が走った道なんて、売り出せばいいのにね」とも思いますが、現状では無理ですね。
 城ヶ峰は「砦」があった所です。山頂に「中心郭」という標柱が立っていました。北西の方向が開けていて、名立方面が一望できます。まさに北陸方面から攻めてくる敵の動きを察知するに絶好の場所ですね。南に続く尾根には大陣地を構えられるほどの広〜〜い台地があります。「でも水がないから、そんなにたくさんは住めないね」
 昨秋、正善寺ダムの奥から見上げた時、「城ヶ峰に登る道がありそうだな」と思った場所があったのですが、その田んぼに続くと思われるジグザグの道らしきものがありました。
 午後になった途端に、雲が広がり始め風も出てきました。男性が一人登ってきました。今日出会ったのは、この人だけです。「高住へ下ります」と挨拶して、降り始めました。こちらは、砂利を敷いた道です。おそらくパイプラインを保守するための作業道にもなっているのでしょうが、車にはきつい坂です。高住への分岐はいくつかあるのですが、「バスが分からないし、有間川へ出よう」ということにしました。海から吹き上げてくる風は、まだ冬の風ですね。特に杉林に入ると暗く、寒さを感じます。
 水源があり、水を引くパイプが出てきてすぐ、民家の屋根が見えました。花立集落です。車道に出て、今日のハイクは一段落。農協前のバス停でバス時間を見ると、しばらくありません。「やっぱり有間川までいくか」
 有間川のバス停は、海岸に面してあります。「40分待ちだね」「調べてくればよかったね」といっても後の祭り。北陸線を電車が走っていきました。「駅まで歩いていったら、あの電車、すれ違いだったよね」と、自らを慰めました。
 それにしてもバス代は高い。有間川から直江津のヨーカドーまでで、490円。そこから春日山下までが、310円。「これだもの乗る人いないわ」と思いました。最後は春日山神社下の駐車場まで歩いて、全日程を終了しました。
柿崎屋敷跡で右折
オウレン
咲き始めのカタクリが
道いっぱいに
キクザキイチゲ
こちらは白花の
キクザキイチゲ
ユキツバキも見ごろ
城ヶ峰砦
入口の看板
城ヶ峰砦からは、有間川はもちろん、名立方面まで一望できる。
北陸方面からの侵入を逸早く察知できる、天然の要害。