2009年05月29日
島々谷から徳本峠へ
信大60周年訓練
 
徳本峠での写真
 
松本ホテル   出シノ沢 9:30-9:35
島々   岩魚留小屋 10:15-11:05
ゲート 6:50-7:00 1670m 12:35-12:47
二俣 7:40-7:55 峠直下 13:30-13:42
一ノ沢 8:35-8:45 徳本峠小屋 14:05
瀬戸沢 9:10    
 
20090529 徳本峠 ルート図
 
 私にとって、島々谷を登るのは初めてのことである。これまでにもチャンスはあったのだが。
 
 松本のホテルからタクシーに分譲して島々へ。途中、コンビニに立ち寄って昼食を仕入れる。松本市に合併した安曇村の元役場の駐車場に自家用車で来た人たちの車を停める。
 タクシーは、谷に沿った狭い道を慎重に進んでいく。ゲートがあり、閉まっていて、そこで「行き止まり」になっている。「去年はここまで入れなかった」そうだ。道が整備されたのだろう。GPSが衛星を二つしか捕捉できないでいる。谷が深いためか。最低三つないと位置を特定できない。
 
 二俣まではこの車道の続き。二俣には立派なトイレが建っていた。ここから谷沿いの山道に変わる。全体に相当荒れている感じだ。ところどころ崩落していてそれを巻いたり、橋が倒壊していたりしている。ぬれた木橋は、見るからに滑りそうで、慎重に通過する。クルマバツクバネソウがある。ツクバネソウは葉が4枚だが、こちらは8枚。「これで咲いてるんですか」というような花だ。
 
 少し開けた所に岩魚留小屋があった。といっても、正に廃屋状態。傍らに桂の大木が存在を誇示している。直径で2m近いか。陽が当たり始める。緑が鮮やかになる。キマダラヒカゲが飛び出してくる。ウスバシロチョウが数頭、陽光を浴びながら、ヒラヒラ、ヒラヒラ。そういえば、ムラサキケマンやキケマンがある。オドリコソウがこんなところにいっぱいあった。都市部では「絶滅危惧種」に近い。コーヒーまでいただいての昼食は、十分な休憩にもなった。
 
 岩魚留小屋からも道は、右岸へ行ったり左岸に戻ったりしながら、少しづつ高度を上げていく。「ワサビか?」というが、まったく辛味がない。ユリワサビでもない。何だろう。この谷のエンレイソウは白花ばかりだ。時々ピンクがかったものもある。通常の赤花は見られないから不思議だ。そんな大きな葉の影になって目立たないが、ヤマエンゴサクがそこここに咲いている。ツバメオモトの白い花が可憐だ。オモトとはいっても、常緑ではなく春に芽を出し花を咲かせる。陽だまりの斜面に「エビネみたい」というピンクの花があった。私の見立てはテガタチドリなのだが。ハシリドコロ。これは有毒植物だが、けっこうたくさん生えている。
 
 谷川から離れ、大きく右にカーブして、樹林帯に入る。徳本峠への登りだ。ちょうど火打山の十二曲に似ているが、傾斜は少し緩い感じで距離は長い。高度差200mほど下で一息入れ、あとは小屋まで一気に。残雪がある。「今年は少ない」そうだ。
 
 徳本峠小屋へは予定よりもかなり早く着いた。ゲートまでタクシーで入れたことが大きかったようだ。2人の管理人に歓迎される。Tシャツが「あるだけですが、どうぞ」と提供された。靴を脱いで上がると早速、宴が始まる。「小屋から」という缶ビールが1箱開けられ、「乾杯!」
 山菜のてんぷら等が盛りだくさんに出され、宴は続いた。青春時代の歌も始まる。他の客はなく、貸しきり状態だからこそだ。