夫婦泉は、おいしい水だ。ステンレスのカップがいくつも置いてあったので、皆思い思いにたっぷりと水分補給をする。この先で、信平橋や氷沢川への登り道を分ける。昨年はそちらに回ったが、今日は時間がないので、「短縮コース」を行くことにする。ニシキゴロモが地に這っている。道はじきに、氷沢川方面から一周してきた道と合流する。左に折れて坂を下る。ここからは軌道跡ではない。コバイケイソウがあるが、花芽をつけたものが少ない。2〜3年周期で大咲きするらしい。ここではマイヅルソウも花をつけていた。
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広い湿原に出る。ここが夢見平湿原だ。妙高山は赤倉山や三田原山等の外輪山の陰になっていて見えない。小さな沢沿いのヤブに、まだ花を開いていないが、葉の形状からたぶんテガタチドリだと思うが、数株群生していた。そういえば遊歩道に上がったところからユキザサがたくさんあるが、火打のものよりも背丈が低い感じがする。クルマムグラが白い花を車輪状に開いた葉の最上段につけている。先端が緑色の白い釣鐘型の花をぶら下げたホウチャクソウもあった。
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コシノカンアオイには、葉に斑が入ったものと入っていないものとがある。根元の落ち葉を掻き分けると目立たない花が出てくる。新葉を裏返してみたが、めざすギフチョウの卵はない。一頭も飛んでいないので、標高が高くていないのだろうか。斑入りで腎葉のスミレが群生している。フモトスミレだろうか。
ズミがアーチのようになった所がある。まだちょっと早いようだ。満開になったらすばらしい所だと思う。夢見平一帯は、桜も種類が多いようだ。そんな一つ、ウワミズザクラが花をつけていた。
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本日最大の収穫は、何といってもヤマシャクヤクに出会えたことである。「絶滅危惧II類(VU)」に登録されている貴重種である。かつては笹ヶ峰のキャンプ場にたくさん生えていたが、最近はどうなっているだろう。薄暗い林床にだいたい一株に花一つ、それも2〜3日の短命。この花に出会うとすがすがしい日本女性に出会ったような感じがする。ボタンや園芸品の芍薬のような豪華さはないが、清楚さと気品みたいなものを感じるのである。近くに開花直前のつぼみもあったが、これもまたいいではないか。
思わぬ大収穫の遊歩道歩きだった。杉野沢の温泉で汗を流して帰宅した。 |
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