夜中、雨が降り続いていた。明るくなっても、それが止まない。少しは期待していたのだが、あきらめる。今日は「赤岳鉱泉へ下るだけだから、天気がよければ阿弥陀岳に登ってから」と思っていたのだが、それもやめて文三郎をただ下ることにする。
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夜中、雨が降り続いていた。明るくなっても、それが止まない。少しは期待していたのだが、あきらめる。今日は「赤岳鉱泉へ下るだけだから、天気がよければ阿弥陀岳に登ってから」と思っていたのだが、それもやめて文三郎をただ下ることにする。
この雨の中だが、登ってくる人が絶えない。稜線の左に入ると風は弱いが、右側は強風が谷を吹き上がってきてまともに当たる。その風が弱まったのは、文三郎もかなり下ってからのことだった。
岩をやるような格好をした二人に出会った。「この雨の中、どこを登るんですか」と聞くと、「登るんじゃあないんですよ。レンジャーの見回りで、一応装備をつけているんです」とのこと。「ご苦労さんです。」
すぐに行者小屋。小雨に変わってくれた。カラフルなテントがあちこちに張られている。小屋の中にも外にも、たくさんの登山者がいた。
中山乗越を越えて赤岳鉱泉にいく。鉱泉小屋は何年ぶりだろうか。暮れから正月に、何年も通ったことが、思い起こされる。その頃から見ると、小屋は新しく大きくなった。中に入る。「信州大学の森田さんの連れのものです」というと、「森田さんはまだ見えていないので、奥で休んでください」とすすめられた。待ち合わせは10時半だからまだ2時間も早い。あがって休む。
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10時頃、雨脚が強まった中を一行8人の姿が現れた。「信大の方、来ましたよ」と声がかかった。途中から雨が強くなったといっていた。
昼前だというのにやることがないので、食堂の一角に陣取って、差し入れのワインがあけられ、宴会が始まる。
夕方、「風呂に入れますよ」というので、入ってみた。こじんまりとした風呂で、数人でいっぱいになる。汗を流してさっぱりした。
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