天気が良い日に行けばいいものを、下り坂になってから出かけることになってしまった。それで初めから頂上へは行けないかもしれないということを念頭に出かけた。
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妙高高原は、高速道路の辺りから杉林などに大量の残雪がある。今冬の豪雪を物語っている。笹ヶ峰への県道は、まだまだ冬から抜け切ってはいない感じだ。五八木を通り過ぎると、あちこちに残雪がグンと多くなる。
笹ヶ峰牧場はまだ真っ白という状態。管理棟もその先の京大ヒュッテも人の気配がない。雪山賛歌の歌碑脇の桜が、雪の中で咲いていた。強いものだ。
登山口の駐車場には、2台の車があった。いずれも県外ナンバー。昨日から登っているのだろうか。50cmほどの残雪である。ゲートでもある東屋の屋根を支える柱が外れていた。雪で押されたのだろう。車載の温度計は5℃だった。寒い。
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駐車場から先はもうずっと雪の上である。例年の5月連休前半頃の状況だろうか。10日から2週間近く雪消えが遅れている。昨日天気が良かったためだろうか、踏跡が不明瞭だ。時々見失ってしまう。ツツドリが鳴いている。小鳥たちもたくさんさえずっている。期待しながら歩く。大きな二つ指の蹄が、右から左に横断している。明瞭だから今朝のものだろうか。イノシシはいないだろうからカモシカだと思われる。
黒沢に着く頃から雨が降り始め、だんだん強くなる。残雪は1mはあるだろうか。休んでいると合羽を着なければならないほどになってきた。残雪の上を合羽を着て歩くのはいやだな。ということで、ここ黒沢から引き返すことにした。決断は早いに越したことはない。
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登ってくる時もそうだったが、途中で沢を渡る。雪の加減が微妙でいやらしい。もう少し雪解けが進むとスノーブリッジはなくなるだろう。
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駐車場の東屋で湯を沸かす。昼には早いがカップ麺を味噌汁代わりにしておにぎりを食べる。ガサガサッと音がして、スキーを履いた若い外人が降りてきた。その後からアイゼンを着けた人も。どう見ても親子だ。東京に住んでいるが、野尻湖畔に家があり、よく来るのだといっていた。
その「多摩」ナンバーの車が出て行くのと入れ違いに「松本」ナンバーの車が入ってきた。男女が降りてきた。男性はガイドで女性がお客だという。話を聞くとこのガイド氏、信州大学の地質学科出身だというではないか。「福田」という名前が見えたが、「山岳部には入らなかった」といっていた。地質調査で山歩きをしていて、ガイドの道に進んだらしい。
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時間が早いので、久しぶりに池の平のボンネイジュに寄ってみた。オーナーは短歌の会で留守だったが、奥さんと長話をしてしまった。今年は6mも雪が積もったといっていた。4月末にやっと消えたそうだが、ペンションの前にはまだ残雪があった。帰りにマーマレードをお土産にいただいてしまった。
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雨で引き返したが、楽しい一日だった。
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