長野県の志賀高原にある岩菅山に登ってきました。
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数日前の天気予報では、「27日から晴れ」の予報でした。昨日の予報では「午後から晴れ」に変わっていましたが、それでも「晴れ」でした。
26日夜半からかなり激しく雨が降っていたので「やむかな」と思っていましたが、4時半過ぎに起きた時には上がっていました。雲はありましたが、「晴れ」の予報に期待して出発しました。
結果的には「晴れたり曇ったり」の一日でした。高天ヶ原のホテルで日帰り入浴して出てきた時、思わず「寒っ」と思いました。
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当初の予定は、発哺温泉の東館山ゴンドラリフトで上がって稜線を縦走して岩菅山へ登る計画でした。ゴンドラ乗り場に着いてみると、戸が閉まっていて、8時40分が始発とあります。1時間半も待つのはもったいないので、逆コースで一の瀬から上がって、ノッキリから岩菅山を往復し、金山沢の頭から寺子屋峰を回ることにしました。
登山口へ行く途中、道を急ぐ人を追い越しました。登山口には2台の車が既に停まっていました。
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登山口からいきなりの急登ですが、15分ほどでアライタ沢から水を引いている上条用水路に出ました。立派な用水です。そのアライタ沢まで用水に沿って進みます。
アライタ沢とカタカナで書かれているので「どういう意味だろう?」と思っていたのですが、取水口辺りはきれいな滑滝です。「荒れた板かな?」と思いました。
急登を登りきると1739mの緩やかなピークになり、少し下ってからまた急登です。登山道の脇にはイワハゼとゴゼンタチバナが真っ赤な実をつけていました。
1893mの小ピークがあり、ノッキリまでずっと登りが続きました。ノッキリとは「乗り切り=峠」という意味でしょうか。二つのベンチが置かれていました。
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山はすっかり秋の景色に変わっていました。「今年はどこでも当たり年」だったといわれたコバイケイソウもすでに茶色に変色していて、見る影もありません。かわって青紫のオヤマリンドウが咲き、白いウメバチソウとヒナコゴメグサ、ヤマハハコが彩りを添えます。
ノッキリから山頂までは少しガレています。行く手に頂上らしきものが見えるのですが、行ってみるとその向こうに同じようなものが見えます。騙されて嫌になった頃、本当の頂上に着きました。
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岩菅山の頂上には二つの祠、大きな石碑等があり、岩陰に避難小屋とトイレがありました。ハクサンシャジンが可憐な花をつけていました。
昼食を摂っていると、急に頭上に青空が広がり、熱い陽射しが照り付けてきました。それもつかの間、風に乗ってきた低い雲に覆われてしまいました。
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ノッキリまで戻って、稜線を進みます。2100mの小ピークから振り返ると岩菅山がドシッとしていました。100mほど下り、2042mの小ピークまで登り返します。振り返って岩菅山が見えるのはここまででした。
トリカブトが見ごろを迎えていました。ダケカンバが葉縁を茶色に変色しているのは、霜でも降りたのでしょうか。
いくつかのアップダウンがあり、やがて樹林の中を登って金山沢の頭に着きました。地図上には「寺子屋峰」とありますが、その寺子屋峰はもう一つ先です。
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寺子屋峰から下り始めると、リフトの動く音がします。「ここは動いていないはずだがな」と思いつつ行くと、草原に出ました。リフト降り場の建物で人声がするので除いて見ました。「点検の作業中です」とのこと、夏の暑い時から準備をするのですね。
草原はスキーのゲレンデでした。ヤナギランとアキノキリンソウが群落をつくり、中にエゾリンドウがあります。ニッコウキスゲの実らしきものが風に揺れていましたが、花の時期はさぞ見事だろうなと思いました。
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東館山の植物園には、観光客の姿がありました。その人たちに混じってリフトで降りました。
さてここから登山口に停めた車の所まで行かなければなりません。アスファルトの道を歩くのは嫌ですね。
登山口では、キベリタテハが迎えてくれました。その名の通り、翅の縁(へり)が黄色で、その内側にブルーの斑紋が並びます。中の茶色はビロードのようで、大好きな蝶の一つです。地面の湿気を給水しているのか、ゆっくり被写体になってくれました。
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一の瀬の高天ヶ原リフト乗り場まで戻り、日帰り入浴が可能なホテルを教えてもらいました。少しぬる目の湯にゆっくりとつかり、汗を流し、疲れを癒しました。
往路は高速を使いましたが、帰路は飯山から妙高市の長沢に抜けて来ました。
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