1973年07月08日
妙高山
 
 
有沢赤倉寮 0:10 妙高山 4:30-6:00
燕温泉 0:50 長助池 7:10-9:00
小屋 1:30 惣滝 11:20-11:45
胸突八丁 2:25-2:40 燕温泉 12:00-12:20
光善寺池 3:05-3:15 有沢赤倉寮 13:00-17:30
鎖場 3:50-4:00 高田 18:40
 
 12時起床。宮沢さんが起こしに来た。直ちに準備をし、出発。まだ連中、騒いでいる。雲の切れ間から星がちらほら。そういえば今日は七夕だ。燕に着く頃、空はさらに晴れ、星が広がってきた。
 通常のコースを取って出発。血の池コースを登る人たちのライトが見える。小屋で水を補給し、二つの滝を音だけ聞きながら進む。気温は17〜8℃。少し歩くと汗が滲んでくる。
 川原に着く頃には雲はなくなり、天の川がまさに川のように天空に流れ、地獄谷の水音があたかも天の川の川音であるかのようだ。胸突き八丁を一気に上ると天狗堂だ。数人の人々が休んでいるので、光善寺池まで足を伸ばした。風の音に混じって、ガマの声が不気味に鳴り響いている。
 「もうすぐ鎖場」の立て札。そろそろ東の空が白みかけてきた。鎖場下で休憩。ライトはしまう。もうライトなしで歩けるが明るさだ。少し急がないと頂上に着く前に太陽が昇ってしまう。
 頂上三角点まで行く。空はよく晴れている。足元に雲海が広がる。
 日の出だ。雲海の向こうから朝日が昇る。いつもご来光はいいものだ。
 風が少しあるので下の洞穴にはい入り、ここで朝食とコーヒーを一杯。ゴミは集めて燃やした。
 再び、頂上へ出て記念撮影。北アルプスがよく見える。火打には大きな笠雲がかかっている。ミヤマタンポポは花が終わり、ミョウコウトリカブトはまだこれからだ。ベニバナイチゴがエンジの花をつけている。
 さあ、下りだ。
 
 突然迷彩色の戦闘服姿が目の前に現れる。すわ戦争か。銃を持った屈強な男が数十人。自衛隊だ。習志野の部隊だそうだ。何も練習だからといってもこんな山まで来なくてもいいものを。
 ミヤマザクラの花がまだ咲いている。シャクナゲはまだだ。前回よりも雪はぐっと少なくなっている。長助池の少し上だけだ。
 雪の上を歩く時の宮沢さん。雪国の育ちのくせに、下手なこと。下手というより怖さが先に立っているのだろう。斜面を降りれないのだ。松本さんの方は、平気な顔をしておりている。
 長助はハクサンコザクラとイワイチョウが咲き乱れ、コバイケイソウの十字花が周りを飾っている。モウセンゴケが虫を捕らえ、池の水芭蕉にはトンボが止まっている。ふと、池の中を見ていると、水芭蕉の花裏で、今やっと脱皮したばかりの大きなトンボが一匹、抜け殻に止まって、羽を伸ばしているではないか。
 長助池のすぐ下まで竹の子採りの人が入っている。近年こうした人たちがとみに増えている。良い事なのか悪いことなのか。途中我々も竹の子を取った。
 大倉の池は水芭蕉が大きく伸びきりちょっと入れない。だんだん日差しが強くなってきた。
 時々ガスがかかって日が陰ると、風がないので、暑いこと。
 麻平のぶな林。落ち葉の中にギンリョウソウがいくつも出ている。
 惣滝を見て燕温泉へ。約11時間の行程の終わり。
 
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