時計に水が入って狂ってしまったために、コースタイムはでたらめになってしまった。燕温泉のチャイムが9時に鳴ったことと、ヒュッテに着いた時が12:25で、その時15:20を指していたことから推定した。 |
テント場からは、斜面は急になり、幅も狭まって尾根らしくなる。左手側が、多少緩やかな雪面になっている。それでも落ちれば地獄谷まで一直線だ。赤倉山と同じ高さくらいになると、ますます急になってくる。岳樺の大木が右側の陵に並んでいる。所々雪が解けて、地面の見えている所もある。そんな所を見つけて休息を取る。陽射しが強く暑くてどうしようもない。 |
最後の雪面は約50mある。一気に登って左側の岩陵に取り付く。そのまま行けば、急なルンゼだ。岩陵は、岳樺と千島桜のブッシュだ。岩登りというよりは木登りという方が適切。 |
やがて、左手より東稜が合流すると、そこはジャンクションで、登攀は終わりとなる。この付近に妙高山唯一のハイマツがほんの少し生えている。鮮やかな緑に目を癒しながら、再び雪面を進むと大きな岩がゴロゴロした北峰の頂上に着く。 |
下りはいったん南峰とのコルへ出て、夏道通りに下りる。すばらしい斜面。もう少し雪がやわらかければグリセードが快適だろうが、今日はアイゼンがちょうど良い。 |
長助から大倉乗越は、このあたりでたった一ヶ所雪崩のでないところだという。点在する岳樺の間を縫ってコルへ。そして、トラバース気味に黒沢への尾根に出る。幅広い緩やかな斜面を下ると黒沢ヒュッテの青い丸い屋根がすぐ眼に入る。 |
途方もなく広々とした黒沢池のほんのはずれを一直線に横切り、そのまま黒沢岳のコルに向かう。オオシラビソの大木の間から高谷池が見え、やがて、ヒュッテの三角屋根があらわれる。火打と焼がすばらしい。 |
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後発隊は、7:20に着いた。 |