2月に安塚の雪だるま財団から、菱ヶ岳雪上トレッキングというのを募集する案内が届いたので、応募していた。今日がその実施日である。
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低気圧の通過で天候はよくない。明日は好天になるのがわかっているのだが、「募集」というのはその手店の自由が利かない。それでも「午後から陽が射す」という予報に期待をかけて出かけた。集合場所のキューピットバレイは細かい雪が降っていた。参加者は、高校生から70代前半までの27人。14人の1班、13人の2班に分かれる。高田農業高校登山部の4人、指導教官4人などと1班になった。かつてこぶし山の会で活躍した清水精一氏もいた。雪山が初めての人も、そうでない人も、スノーシュー初めてという人も多い。ガイドの指示で、簡単な自己紹介をして出発。 歩くルートは、菱ヶ岳の頂上に登り、少し下って須川古道に沿って信越トレイルに出る。しばらくトレイルを辿り、頂上駅に戻ってくるというものである。
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ゴンドラで上がる。今日みたいな天気の時はありがたい。リフトだと寒いだろうな。スキー場を滑るスキーヤーは疎らだ。頂上駅を出て、スノーシューを着ける。下の駅に「頂上駅−5℃」という表示があったが、そんな寒さではないようだ。細かい雪が視界を遮っている。
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東に派生する尾根の先端がちょっとした岸壁になっていて、「よくカモシカがいるんですよ」という。その岸壁を回り込んで浅い沢を詰め、尾根上に上がる。その広い尾根をゆっくりと登っていくと、建物の一部がうっすらと見えてきた。頂上の祠である。1班2班合同で記念写真を撮る。
頂上からはいったん、南に派生する尾根を下る。ブナの幹に熊の爪痕がしっかりと残っている。「爪を引っ掛けて登るんです、すごいですね」「その爪で一撃喰らったらダメですね」「この辺りは、夏は熊の活動範囲です」広い広場だ。
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緩やかな登りが続く。「ここは須川から飯山へと抜ける須川古道です。この先は本来、トラバースですが、スノーシューはそれが苦手です。今日は雪の状態がよくないので、ここから直登します」ということで、稜線に向かって直登する。いったん溶けた雪が硬く凍り、その上に新雪が数cm積もっているというのは、確かに嫌な雪の状態だ。ストックが刺さらない。スノーシューでのキックステップの要領が解らず最初は梃子摺ったが、少ししたら慣れてきた。
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さすがに稜線=信越トレイルに出ると、北西から吹く風が強い。長い登りにかかる。無雪期もちょっときつい所だ。右手に所々雪庇ができているが、その下が緩やかなので、落ちてもたいしたことはないだろう。
上がり切った丸いピークで昼食休憩。風を避けるために、右手の斜面に降りる。少し下ると平地になっているのだが、皆さん斜面に陣取っていた。
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トレイルは急な下りになっているので、それを避けて右手から回り込んで、急斜面をシリセードでコルに下る。大騒ぎ。そして緩やかな登りで次のピーク。ブナの枝にはびっしりとえびの尻尾が張り付いている。時々薄日が射すが、雪は止みそうにない。ここから尾根は南東に延びているが、トレイルは東の急斜面を下って野々海峠へと続いている。
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少し戻ってから下り始める。こちらの斜面は新雪が深く、シリセードは上手く滑らない。スノーシューの後ろに体重をかけると上手く下れることが解った。何事もまず、やってみることだ。
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沢沿いにどんどん下っていく。傾斜が緩くなるころ、前方に人影が見えた。近づくと子どもたちだった。「三和区の里公小学校4年生です」と、元気の良い返事が返ってきた。
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広い雪原に出た。「ミズバショウが咲く湿地」という説明があった。湿地なので樹木が生えないのだそうだ。そして行く手に山頂停留所の大きな姿が見えた。天候は良くなかったが、久しぶりに頬を打つ雪の感触を楽しんだ。
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ゆきだるま温泉で汗を流して、帰宅した。
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