1972年05月03日
餓鬼岳(3日目)
 
 
テント場 6:30 12:50-13:40
餓鬼岳 8:00-8:45 16:00
テント場 9:15-11:10 青柳宅 16:20
 
 5:00起床。暖かい夜だった。昨日に比べ、雲が出てきている。風はない。
 樹林帯をしばらく行くと、樹林の数が次第にまばらになってくる。樹高も低くなり、高山の感がしてきた。雪は1m位残っている。
 最後の急斜面を登るとそこは、小台地になっていた。もう頂上は目の前だ。新雪が降ったらしく、柔らかな雪が表面に積もっていた。
 頂上の展望はすばらしい。鹿島槍、裏銀、その間に立山と剱、さらに左へ槍、穂高、表銀、遠くに中ア、南ア、富士、八つ、さらに浅間山。北方には、妙高、火打、戸隠も見える。大パノラマだ。
 頂上には小さな祠が一つ置かれていた。
 頂上直下の斜面をグリセードで下る。爽快。その下の急斜面はあまりにも急すぎるので、一歩一歩足場を確かめて下る。陽射しが強いせいか、だいぶ雪がくさって来ている。
 軽快に下ること約30分。もとのテント場に戻った。
 雪上での昼寝。暖かい太陽と快い涼風。しばし安眠をむさぼる。
 下山。昨日登ってきた道を逆戻り。登りも大変だったが、下山もまた大変だ。歩いていて、「よくもまあ、こんなところを登ったものだ」と感心する。全行程胸突八丁の連続だ。その上、道といっても所々の笹の切り口と、けもの道にも似た踏跡だけが頼りだ。ちょっと油断すれば、すぐ道を見失う。
 乳川の渡にたどり着いたころ、空にはだいぶ雲が広がってきた。今日の渡渉は昨日ほど冷たくなかった。
 もうあとは、平らな道を下るだけ。まむし平でタラの芽を採った。それからがいけない。道端にあるタラノ木を見つけると、手当たり次第に採りまくり、ついにポリエチ袋に3杯になった。おかげで退屈せずに歩けた。
 車に乗った頃、雨が降り出した。連休の丁度天候の良かった2日間、山にいたことになる。良かった。
 
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