2時起床、3時出発ということで、昨日は5時から夕食をとり、すぐに寝た。
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ずっと小雪がちらついていたようだ。あたりが白くなっている。朝食としてお粥を一杯。すぐに出発の準備に取りかかる。
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ゴアの雨具を着込み、ヘッドランプを点けての出発である。寒い。ハイキャンプへ上がってくる時よりも傾斜は緩くなっているのだが、足を一歩出すたびに息が切れる。5000m近いのだから仕方がない。寒さもその故だ。何回かの休息を取りながらゆっくりと進む。
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空が白みかけてきて頃、前方にタルチョーが見えた。「あそこか」とブレンドラに聞くと、「トロンパスです」と返ってきた。喜びを押さえながら行くと、バッティが一つ建っていて営業していた。みんなで到着を喜び、お互いに握手し、健闘をたたえあった。
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バッティの中に入れてもらい、後続の到着を待つ。暖房が入っているわけではないが、風が当たらないだけでも暖かい。外はマイナス2℃。
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全員そろったところで記念写真を撮った。その後、この企画の立役者である小川勝氏の遺骨を小高い丘の上に散骨した。
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下りはしばらくは雪の着いた緩やかな砂利道状だったが、次第に急になり雪が無くなって、ザラザラ状態の道になった。ここで怪我をしては元も子もないので慎重に下る。上空は雲が覆っているため、ほとんど陽が差ささず、休むと寒い。
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傾斜が緩くなった頃、何軒かのバッティがあった。ブレンドラは「フェディ」といったが、メニューを見ると、ChambarBook と書いてあった。
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トロンパスからこちらは、カリガンダキの流域である。植物相が少し違っているようだ。新しいものがいくつか出てきた。
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ChambarBook で昼食かと思ったら、残念違っていた。さらに下っていくと、ジュースとモモ(ネパール風餃子)を持って二人のポーターが上がってきた。結局昼食抜きでムクチナートまで行くことになった。
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ムクチナートはラマ教とヒンズー教の共同の聖地である。最初にラマ教の寺院にお参りする。三体の仏像が安置されている。聞くと、どれも「ブッダ」とのこと。
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次にヒンズー教の寺院へ行く。こちらはたくさんの参拝客でにぎわっていた。顔つきからインド人が多いようだ。「インドからここまで参拝にこれるということは、相当裕福なんだろうね」「みんな腹が出ているね」「この階段を上がるのが参拝の試練かもね」
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テントは村の中にあった。おやつに「おでん」が出た。キッチンも気を使っているのがよくわかる。
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(6:04)
朝の3時に出発しまして、あえぎあえぎ登ってきました。だんだん白くなってきまして、今いる所では、一面真っ白です。すぐ目の前にトロンピークが真っ白です。
東の方が白み始め、ライトはもう必要がない、そんな状況にまでなってまいりました。
歩いている時はちょうど良いのですが、停まるとやはり寒いです。しかし、歩いている時は呼吸がたいへんきついですし、停まるとそれがうそのようになって快適でもないかな。
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(6:50)
一面真っ白な石の原っぱの向こうにチョルテンが見えまして、ブレンドラに「あれは何だ」と聞くと、「パス」と答えてくれました。トロンパスです。少し行くと、建物が一つ見えてきました。峠に茶店があるという話でしたが、その茶店そのものです。中には、常駐しているのでしょう、ネパール人が一人おりました。みんな感激の握手をして、記念撮影をしました。しかし、実に寒い。
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(15:03)
トロンパスからは、今度は一気の下りです。最初はまだなだらかな所でしたけれども、雪がついていて、なかなかたいへんでした。陽が上がらず、寒さがきつい、そんな状況の中をただひたすらえんえんと下ってきました。
途中のチャムチャブックというバッティが幾つかあるところで、そこが昼飯の場所ではないかということで休んだのですが、違うということで、さらにまた下り始めました。このあたりになると傾斜もかなり緩くなり、土の多い石になってすべるということはなくなりましたが、雨が降り始め、合羽を着て下ることになりました。
大きな長い橋を渡る頃になると、前方にムクチナートの街が見えてきて、ゴンパが街を象徴していました。
ムクチナートのゴンパを見学することになりました。ここは一方が仏教寺院、片方がヒンズー教寺院というたいへん変わった寺院です。最初に入ったのは仏教寺院。もちろんラマ教ですが、床で火が燃えているのが見えるというのを見せてもらいました。天然ガスか何かが自噴しているのに火をつけているようです。正面に真っ白な仏像、左側がピンクがかった仏像、右側が緑の鬼のような仏像三体が置かれていますが、寺の人の説明では、いずれも仏陀だという話でした。
そこを出てヒンズー教寺院の方に行くとたいへんにぎやかで、インドから巡礼でやってきている人たちが、争って祝福を受けようとしているようでした。
今日の泊まりは、この寺院のすぐ下のトレッキングエリアで、早い時間に着いたポーター等がシュラフ等を広げておいてくれました。
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