朝3時起床。まだ暗いが、部屋の中が暑くて寝苦しかったので、待ちわびていたようだ。
日の出は5時過ぎだから、もう少し出発を遅らせても良かったのかもしれないが、予定通り3時半に小屋を出る。満天の星空を望んでいたのだが、逆に雲に覆われていた。暗闇の中をライトを頼りに登る。4時30分に頂上に着く。少し明るくなってはいるが、早い流れの雲が光をさえぎっている。少し寒いくらいなので、「降りよう」との声が出るが、「何とかご来光を」と引き止める。しかし太陽は暑い雲に遮られて顔を出してくれなかった。
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薬師岳山荘に戻って朝食。その途中から雲が切れ始め、槍ヶ岳が見え隠れし始める。天気は気ままだ。出発する頃には、薬師岳の頂上を覆っていた雲もきれいになくなっていた。
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大学3年の時だったと思うが、同期の河原と二人で槍から劔まで縦走したことがある。五色平まで行こうとしたがダメでスゴで泊まった。太郎兵衛平から歩き始めたのだと思うが記憶が定かでない。前日は雲ノ平から薬師沢を渡っているので、太郎兵衛平だと思うのだが。スゴで泊まった翌日は五色平までしか行かなかった。最後の日は劔沢から劔の頂上を踏んで、早月尾根を下ったのだが、この下りの長かったこと。「早月、嘘つき、遅着きだ」なんていいながら下ったのを覚えている。早月小屋まで来ると飲み水がなくなり、ボウフラのいるドラム缶の縁を叩いて沈んだ隙にその水を飲んだことなどは、今でも鮮明に覚えている。ヘロヘロになって馬場島に着いた。青春時代の一コマだ。
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登りも長かったが、下りもまた長かった。同じ道を往復したのだから当然といえば当然のことなのだが。長大ではあるが、三角点までの樹林帯と薬師峠からの登り以外は、実に緩やかな道で、岩場や鎖場があるわけではないので、まあ体力勝負ではある。
昨日の登りと比べると、風があるので助かる。汗は出ているのだろうが、昨日のように流れるというほどではない。三角点ピークで小屋でつくってもらった弁当を食べる。時間からすれば、弁当はなくても良かったのかもしれないが、まあ山では何があるか分からないから。
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折立へは予定よりもかなり早く、12時に着いてしまった。「風呂上りのビールが楽しみだね」ということで、亀谷(かめがい)の国民宿舎へ直行した。そして飲んだ生ビールの美味かったこと。一杯目は、スーーーッと入ってしまった。二杯目でようやく落ち着いた。
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そして暑い暑い上越に戻ってきた。
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