| テントを撤収して出発する。今日の予定は、涸沢まで行くこと。 |
| 出発が遅いので、もう、たくさんの人が行き来している。横尾の橋は、以前のままかしがっている。河原の中の道を行く。樹林下の笹原は、露にぬれてキラキラしている。屏風の岩壁が見えてくる。岩小屋は、岩石で埋まっていて、看板だけが名残をとどめていた。「ここの岩の下に穴があいていて、屏風岩に登る人が、泊まったんだよ。」と教えるが、まったくイメージがわかないようだ。 |
| 河原から巻き道にはいる。しばらく登って、平になる。コメツガの樹林がダケカンバに変わり始めると、明るい陽差しがふりそそいでくる。 |
| 本谷の橋は、昔の丸木橋からしっかりした鉄の橋になった。かけられた位置が以前よりも少し下になっている。渡ったところで休む。旧橋のたもとのわき水が飲めなくなったのは、いつのことだろう。おいしい水だったが。岩にコヒオドシが群れている。 |
| 本谷からの登りは、いつもつらい。ゆっくりと登る。2人の子供は元気だ。美穂は、少し前を行き、深雪は、後ろからついてくる。お母さんがいつもおくれ気味。それを深雪が心配しているのだ。道が緩やかになったところで、美穂と先に行くことにする。深雪はお母さんと。ダケカンバのたけが低くなり、涸沢の雪渓が望まれるようになる。 |
| 男の人が立ち止まって、ダケカンバの林の中を見ている。「雷鳥ですか。」と声をかける。「猿がいるんですよ。」という答え。見ると、子猿が3頭、林の中で騒いでいる。美穂も、本当の野猿ははじめてなので、興味深く見ている。登山道のすぐ近くまで来ているのには、おどろいた。上から降りてきた老人パワーは、そんなものには興味を示さず、ドンドン下って行った。 |
| 涸沢の河原にはいる。ナナカマドの白い花がめだつ。後ろの2人がくるのを待つことにする。しかし、なかなかこない。それでまた、先に行く。道がふたつに分かれる。左手は、涸沢ヒュッテへの道だ。右手の石段の道を登る。 |
| 人の声が、激しく聞こえてくると、涸沢のキャンプ場である。テント場を探す。ちょうど良い広さのところをみつけ、設営する。荷物をおいて、まず、小石をどかす。「石があると、寝る時痛いからね。 |
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