1968年03月22日
塩見岳〜赤石岳
(春山合宿)7日目
 
 
小河内岳避難小屋 7:10 高山裏 12:10-12:30
大日影山 9:30 TS 14:55
板屋岳 10:10    
 
 
快晴
 朝のうちはまだ前線の影響で風が吹いていたが、8時頃より晴れ上がった。避難小屋から見た早朝の富士は、すばらしかった。朝陽に輝き、やはり日本一の雄姿だ。
 小河内岳の下りは、昨日の雨で雪が腐っていて大変歩きにくい。最初アイゼンを着けていたが、ワカンに履き替える。それでもまだ埋まる。
 大日影山はトラバースし、板屋岳との間のピークをめざす。。これも左側を巻き、板屋岳に行く。早大山稜会のトレースがまだ、所々に残っていた。
 板屋岳からの下りは、樹林のため、小さな木下が洞になっていて、乗ると腰のあたりまで埋まる。ラッセルのため、思ったより時間がかかる。
 枯れ木の多く生えた平らな所を過ぎると、すぐ最低コルだ。この辺りを高山裏露営地というのだろうか。
 ここから夏道は沢に入るので、前岳に続く僚船に取り付く。急斜面なことと、ラッセルのためアルバイトが大きい。
 2600mのピーク付近にテントを張る。
 天気が良いのでシュラフその他を日干しにする。
 これから行く赤石、大沢、それに眼前に荒川岳がそびえたっている。
 今日でようやく距離も半分になった。
以上 杉本
 
 
 4時起床。
 昨日からの風はやなず、外は霧雨だ。6時頃、風がおさまりだす。上空は、高層雲が泙ぎ、伊那谷は雲で埋まっている。3千m級の山のみが顔を出し、他はみな雲の中だ。特に洋上に浮かぶ氷山のごと。穂高がみごとだ。
 意を決し、アイゼンを付け、出たのが7時。雪がくさっているので、すぐにワカンと変える。しかし、気温が高く雪の腐れはひどい。ボカスカ落ち込む穴との戦いだ。板屋岳を巻くあたりは、氷った雪の上に軟雪が30cm程あり苦労する。
 高山裏からは夏道を通らず、一息に直上する。出たピークを少し下った所に天幕をはる。
 
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