| テンバからコルまで下り、コルより左にトラバース気味に登り、隣の稜線に移る。かなり急な登りだが、アイゼンが効いているので、苦労は少ない。夏道の通りに登ると爪越峰に着く。 |
| 少し下って本院岳に行くが、これを右に巻き、ザックを置いて頂上に登る。ダイレクト尾根の上部と仏沢、P1尾根がよく見える。昨年のアタックの成果を顧みる。 |
| 西岳へ向かう。小さなピーク補越えるとキレットがある。夏道があるので鎖が張ってあるが、フィックスする。すぐ頂上である。 |
| 頂上から西側に大きな尾根が張り出している。下部が険しそうだ。P1までのルートは部分的には厳しい所もあるが、地図のように全体が左右ともに切れているわけではない。 |
| P1はかなり大きなピークで、ハイマツが生えている。雪稜会、緑の会、東電の各山岳会の赤旗がみられる。モレーヌの発表以来、かなり目がつけられているようだ。 |
| P2まではそんなに難しくないが、所々に急傾斜がある。P2の少し下にかなり大きなキレットがある。フィックスして最下部に降りたが、P3へ登るルートが解らない。岩陵を調べたがよくわからないので、沢を偵察する。雪が安定していて雪崩が起きそうにないので、2ピッチほどアンザイレンして下り、さらに200m程下る。P2の西側稜は素晴らしく大きい。沢からは大きな岸壁で閉ざされている。 |
| P3とP4の間の沢をつめる。P3のピークに立てなかったのは心残りだが、やむを得ない。P2もP3も、東側から見ると鬼の面に似た感じのピークである。 |
| P4を下る所20m位はかなり急で、おまけに木が多く、雪がガサついていてドッペ(埋まる)る。 |
| これを抜けると、比較的緩やかな斜面が放物線状にP5へ続いている。 |
| P5からP6にかけて、よく偵察しなかったため、P6よりルートを間違えて、西側の稜へ降りてしまった。 |
| 疲労と空腹のため、約50m下ったところにテンバを見つけ、テントを張る。こんな稜にも赤旗と踏跡があった。 |
| 以上 杉本山日記より |
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