1967年03月29日
戸隠全山縦走(10日目)
八方睨〜本院岳〜一夜山
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テント場 6:50 P2 11:35-11:50
爪越峰 8:30 P3キレット 12:10-12:30
トラバース完了 7:40 P3キレット 12:30
本院岳 8:50-9:00 P4 14:35-14:50
西岳キレット取付 9:25 P5 15:35
西岳 10:00-10:10 P6 16:00-16:00
P1 10:55-11:10 テント地 16:15
 
 
テンバからコルまで下り、コルより左にトラバース気味に登り、隣の稜線に移る。かなり急な登りだが、アイゼンが効いているので、苦労は少ない。夏道の通りに登ると爪越峰に着く。
 少し下って本院岳に行くが、これを右に巻き、ザックを置いて頂上に登る。ダイレクト尾根の上部と仏沢、P1尾根がよく見える。昨年のアタックの成果を顧みる。
 西岳へ向かう。小さなピーク補越えるとキレットがある。夏道があるので鎖が張ってあるが、フィックスする。すぐ頂上である。
 頂上から西側に大きな尾根が張り出している。下部が険しそうだ。P1までのルートは部分的には厳しい所もあるが、地図のように全体が左右ともに切れているわけではない。
 P1はかなり大きなピークで、ハイマツが生えている。雪稜会、緑の会、東電の各山岳会の赤旗がみられる。モレーヌの発表以来、かなり目がつけられているようだ。
 P2まではそんなに難しくないが、所々に急傾斜がある。P2の少し下にかなり大きなキレットがある。フィックスして最下部に降りたが、P3へ登るルートが解らない。岩陵を調べたがよくわからないので、沢を偵察する。雪が安定していて雪崩が起きそうにないので、2ピッチほどアンザイレンして下り、さらに200m程下る。P2の西側稜は素晴らしく大きい。沢からは大きな岸壁で閉ざされている。
 P3とP4の間の沢をつめる。P3のピークに立てなかったのは心残りだが、やむを得ない。P2もP3も、東側から見ると鬼の面に似た感じのピークである。
 P4を下る所20m位はかなり急で、おまけに木が多く、雪がガサついていてドッペ(埋まる)る。
 これを抜けると、比較的緩やかな斜面が放物線状にP5へ続いている。
 P5からP6にかけて、よく偵察しなかったため、P6よりルートを間違えて、西側の稜へ降りてしまった。
 疲労と空腹のため、約50m下ったところにテンバを見つけ、テントを張る。こんな稜にも赤旗と踏跡があった。
以上 杉本山日記より
 
 
19670329 戸隠全山縦走(10日目) ルート図
 テント場からコルまで下り、右にトラバースしとなりの稜線にとりつく。急な登りだがアイゼンがきいているので苦労は少ない。夏道の通りに行くとまず爪越峰につく。
 本院岳はトラバースしてからザックをおいて頂上に登る。ダイレクト尾根上部、仏沢、P1尾根が一望の下にみえる。
 西岳の手前にキレットがある。鎖があるがザイルを使って登る。頂上から西尾根が西側に大きく張り出している。下部が壁になっていてきびしそうだ。
 P1までは部分的にはきびしい所もあるが、様相は地図からうける印象とは大部ちがう。
 P2の手前はやはり大きなキレットになっている。最低部におりてP3へ登ろうとするが、ルートがよくわからないため、岩陵を登るのをやめ、沢を偵察し、200m程下り、P3の西側稜の末端からトラバースしてP3とP4の間の沢を登る。P3のピークに立てなかったのが心残りだが、やむを得ないだろう。P2、P3共に東側からみると鬼面のような感がする。
 P4の降り口が多少木が多く苦労するがあとはなんともない。
  P5でよく偵察しなかったため、誤ってアブキ第二尾根の方へ降りてしまった。疲労と空腹のためテントを張る。偵察の場合注意してやらなければならない。
 
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